るびりんブログ

鼻に風の当たる場所でなければ、頭がぼんやりしてしまって考えることができない。

手で絞った洗濯物が乾いていく時間

私たちは、
騙されている。


エンジン音
街路灯
家電のモーター音
電気代
水道代
電話代



豊かさと見えるものは、
私たちの暮らしから
「なんともならないことを
なんとかしようとしない」
ことによる
安心感を奪った。


代わりに、
時間と金に追われ、
競争を強いられ、
不安をあおる情報をあびせられ、
多忙と偽の満足の裏で
生物として生きる時間を
一方的に奪われている。



物を運ぶトラックが走り、
情報を運ぶ電気が走る現代社会の
薄い皮をはいでみれば、


大量の廃棄物と
意味のない労働と
意味のない消費。


それによって生み出される富を
吸い上げる仕組みに気づかないように
仕立て上げられた教育やメディア。
(会社は独占され、国家は意味を持たない)。


それでも、
反抗できないように作られたシステムを
教育やメディアは、民主主義と呼ぶ。


手で絞った洗濯物から水が垂れ、
次第に水分が失われて
やがて、
パリパリに乾いたとき、
私は、こうして
おだやかにながれる時間を
随分長い間忘れていた自分に気づいた。


私たちにとって必要なのは、
このおだやかな時間を失わせたものを
私たちは文明と呼び、
進歩と思い込むように
しつけられていると
自覚することなのだ。



難病を治療することや
飢えをなくすことや
権利を守らせることとを目指した私たちは
おだやかに流れる時間を失った。


それが事実である。