バナナ
バナナの原産地は東南アジアだ。
アフリカでは加熱用バナナを主食として食べている地域があるが、アフリカ原産ではない。
バナナがアフリカに伝わった時期は諸説あり、プランテーション作物としてのバナナが伝わったのは500年前ほどらしいが、加熱用バナナはそれ以前から栽培されている。
そういった意味で、バナナの本来の重要性は、果物としてのバナナではなく主食としてのバナナにあるように思える。
『密林の食葬族』にアフリカの野生バナナの記述があるが、それは東南アジアから伝わったものである。
バナナは台芽を株分けするだけで増やすことができるため、重宝されている。収穫時にも房ごと切り離せばよいので簡単だ。
穀物やイモを作れない場所に広まったというが実際には栽培が楽であるという要素が大きかったのではないだろうか。
アンデス生まれのジャガイモが北欧やアイルランドを象徴する食べ物になり、トマトやトウガラシもまた南米から広まって、まるでイタリアや韓国、インドなどの伝統料理になっていったように、料理用バナナも東南アジアから広まってアフリカの伝統料理になっていったのだった。
バナナを主食とする地域は、農耕に手を出しているとはいえ、穀物を主食とする地域と比べて、社会の大規模化を防ぐことができていたように見える。
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