生きた証
人は自分が生きた証を欲しがる。
私は思う。
証を欲しがるのは
人が偽りの生を生きるようになったからなのだと。
アマゾンの先住民は知っている。
人は何もなさずともよいのだということを。
(『人間が好き―アマゾン先住民からの伝言』)
いや、人は何もなさないわけではない。
生まれた時と同じ自然を死ぬ時もそのままにするように、
自分自身の生き方を制御して主体的に生きること。
それが、アマゾンの先住民たちが実現する偉業である。
アマゾンの先住民たちは祖先の残した自然の中で
祖先の眠る大地の上で生きる。
日々祖先を思い出し、
自らの死後も、子孫たちの心に
日々蘇る自分を確信する。
そう、自然を身勝手に利用せず、自然に従って生きてきた
人類誕生から今も残る、狩猟と採集に頼る生き方だけが、
人に生きた証を問わせない生き方だったのだ。
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