るびりんブログ

鼻に風の当たる場所でなければ、頭がぼんやりしてしまって考えることができない。

一流スターの映像と目の前の大根役者

映画ができ、テレビが普及して、
大根役者たちの居場所がなくなった。


代わりに、
これは素晴らしいという俳優たちの演技を楽しむことが
できるようになった。


そうだろうか。


日常的に接する情報のほとんどが間接的な情報、
つまり、目の前で確認することのできない情報ばかりになった
今の生活を振り返ると直接接することの大切さを思い知る。



私たちにとって大切なことは
事実を直接確認できない世界ではなく、
目の前に繰り広げられる光景なのだ。


学校で教わる理屈ではなく
自分が暮らす中で学んで得て行く
自分なりの考え方なのだ。


この意味で、映像を通じてしか知ることのできない世界は
無意味なのだ。





別の点も指摘しておこう。
多くの役者の居場所をなくした世界は、
ほんの一握りの人だけが生き残る世界だ。


今、テレビに出ている人たちの顔ぶれを思い浮かべて見て欲しい。
なんと狭い世界だろうか。
その狭い世界に生き残るために、どれほどの迎合が行われているか
想像してみて欲しい。


そこは、独占された世界であり、住民たちに言うことを聞かせることなど
朝飯前の世界なのだ。


何と恐ろしいことだろう。




繰り返そう。


私たちに必要なのは一流を間接的に知ることではなく、
凡庸を直接知ることなのだ。