るびりんブログ

鼻に風の当たる場所でなければ、頭がぼんやりしてしまって考えることができない。

甘い水

蛍を誘いながら、
こっちの水は甘いぞと歌った
人たちがいたのは
ずっと昔のこと。


たくさんの動物の排泄物が混ざっていても
それ以上に微生物たちの活動が活発で
水が浄化されていると
水は甘くなるようだ。
(『食べられるシマウマの正義 食べるライオンの正義―森の獣医さんのアフリカ日記』)


昔は、日本の水田の脇を流れる小川や谷にも
湧くほどの魚が住んでいたと聞いた。


今、カンボジアの水田地帯で撮影された
子どたちが魚やカエルを捕る動画を見ると、
昔は日本もこんな感じだったのだろうかと思うほど
たくさんの小動物が水の中に住んでいる。


農薬や圃場整備、水力発電や砂防ダム、殺虫剤に工場排水。
小さい生き物たちには住みにくい環境だ。
甘い水を知る人もいなくなってしまった。


良く整備された都市の中心部に住むことよりも
工場排水の垂れ流しが当たり前の田舎に住むことのほうが
今の生活が何を犠牲にして成り立っているのかを
まざまざと教えてくれる。