るびりんブログ

鼻に風の当たる場所でなければ、頭がぼんやりしてしまって考えることができない。

もったいない

創作者たちは
良く知られている名前を使って
物語を作っていく。


アインシュタイン
イスラム教徒
アーリア人
売春婦
ベンチャー企業


けれど
ほとんどの創作者は
実態を知ってなどいない。


ただ、使い勝手のよいキャラクターとして
これらの名前を使うだけの話だ。


「ブッシュマン」の姿を
創作者たちは
文明を知らない未開人として描いた。


だがそこに赴き
長い時間を共に過ごした研究者たちは
帰ることのできる世界として
彼らの世界を感じ取った。



同じことがあらゆる名前について言える。


私たちは
創作された使い勝手の良い名前に振り回されて
敵国を想定したり、
ブランド品にあこがれたり、
科学技術を肯定したりしている。


その一方で
帰ることのできる場所のことは
ほとんどの人が
帰るべきでない場所として
切り捨てている。


その結果、多くの重要なテーマを見落としているか、
創作された物語によってこのテーマを説明しようとしている。


生と死の意味
肉体の重要性
生物であるということ


創作に頼らずにそんなテーマを扱った本たちが埋もれていく一方で
使い勝手のよい、実態とかい離した創作を描く
物語ばかりが売れていくのが
ほんとうにもったいないとつくづく思う。