徳川期日本のおだやかさ
町のあちらこちらから
力を合わせてゆったりと仕事をする人々の歌が聞こえる。
職人たちが小さな工房で商品を作り、売っている。
実用品だがこだわりのこもった愛すべき作品たち。
子どもは少し大きくなると近所の子どもたちに交じって遊ぶように
家から放りだされる。
小さな子どもを持つ男親たちは、
我が子の健康さを自慢し合う。
夏ともなれば親子ともほとんど裸である。
家々は草木に囲まれ町全体が庭園のようだ。
徳川期日本にあったのは、世界システムに巻き込まれる前の
生活の豊かさだ。(『逝きし世の面影』、『世界システム論講義』より)
競争、自由、正義、倫理、権利、地球人、博愛、友愛、進化、科学、理性
そんな言葉が人を生物として生きられなくしている。
世界システムに巻き込まれた私たちよりも
ずっと生き物らしく生きていたのが、
徳川期の日本人である。
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