本当は凶暴なカバ
アフリカで最も人を殺した動物と言われているカバ。
大きく発達した犬歯を見れば、その性質がうかがわれる。
巨体ながら陸上でも俊敏であり、100mを9秒台で走るスピードをもつ。
水中を泳ぐ速度も速く、
モーターボートに向かって来るカバの様子には恐怖を覚える。
草食動物であることを考えれば、
もっと温和であってもよさそうなものだ。
理由を考えてみると、
水中をねぐらとし、夜間、陸上に上がって草を食べるという
生活をしていることの影響が大きそうだ。
広いなわばりを柔軟に持つことができる
深い水に依存しない動物たちと比べて
水場への依存度の高いカバでは
なわばりの維持が重要な要素になっているのだろう。
カバが夜間出歩く範囲は、水場から3kmほどだという。
川や湖、沼を中心に多くの個体が集まって住み、
密度が高くなることで、
繁殖のためになわばりをしっかり確保する
必要性が高まり、余計に神経質になるのだろう。
そうした水場には肉食動物たちも集まってきて
カバの子を狙うとなれば、なおさらだ。
おそらく、こうして動物でありながら、
凶暴性の高いカバという動物が生まれたのだ。
そして、私たちの性格もまた、
定住や資源の集中、人口密度といった
環境に応じて作られている部分が大きいのだろう。
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