るびりんブログ

鼻に風の当たる場所でなければ、頭がぼんやりしてしまって考えることができない。

集積

人のまばらな大地があった。(これを黄金の大地と呼ぼう)
人は狩猟採集に生きていた。


やがて、定住者が生まれ
農耕民が生まれて
人が増えた。


増えた人は、
まばらだった時代の生き方を否定しながら
大地を耕地に変えていった。(これを銅の大地と呼ぼう)


耕地が生まれるのは
植物の生育が適度に保たれる温帯であった。
熱帯では火の力を利用した焼畑がせいぜいだった。


やがて、商業が生まれ、
工業が生まれ、
都市が生まれた。


豊かな都市を支えるのは、
いまや技術力によって
単一作物栽培の耕地に変えられた熱帯地域の貧困であった。


より多くの富を望んだ支配者たちは
見せかけの豊かさを広げようと世界中の大地を
人工環境に変えようとしている。


すべての土地が人工環境になったとき
大地は生命力を失ってしまう。(これを鉛の大地と呼ぼう)


人類は黄金の大地を作ろうとして、
実は黄金の大地を失い、
鉛の大地を生み出そうとしているかもしれないのだ。