るびりんブログ

鼻に風の当たる場所でなければ、頭がぼんやりしてしまって考えることができない。

けもの 毛物 獣

ある日、夜の闇が怖くて、道を進むことができなくなった。


僕は、動物たちの姿を思い出していた。


痛みに強く、平気な顔をしている狼。
毛皮に包まれどっしりとしたクマ。
寒さも平気なカモシカ。


僕もまた、そんなケモノの一頭だと想像してみた。


心細い夜を一頭で過ごす、
親から離れたばかりの若い個体の姿や、


ずっと強い相手に威嚇してみせる迫力を。


すると、
僕は、道を進むことができるようになった。