豊かなアフリカ
人類学・民族学的な資料を通じて知るアフリカの大地は豊かだ。
日本では越冬することのできない瓜類(野生スイカ)が自生しているのは、
大陸最南端に近い場所にあるカラハリ砂漠だ。乾燥してはいるが、
ある意味日本の土地よりも豊かなのだ。
アフリカ最後の裸族と呼ばれたヒデ族が、進んだ農耕社会を築いていたのは
カメルーン北部の山岳地帯。ここを訪ねた江口一久氏は、村に工場ができ
電気がひかれるよりもこのままのほうがよいと結んでいる。
同じカメルーンの南部には熱帯雨林が広がり、ピグミー族が住んでいる。
農耕民たちが恐れる森の中は以外に心地よく、人類はサバンナではなく
森で生まれたのだと感じさせる。
サハラの南、ナイジェリナの内陸には、ニジェール川の氾濫原を中心に
稲作と魚という日本と同じような食生活が広がっている。川の水に浸かって
漁具を設置する漁師たちを見れば、アフリカ人の勤勉性がわかるのである。
トーゴ北部にはモロコシを作っているランバ族が住んでいる。険しい日本の
地形とは違い、平坦な大地に豆とモロコシをまいて天水に頼れば、一家を
養うだけの収穫が得られる。
エチオピアは低緯度だが標高が高いことから、一年中温暖な気候になっている。
この地に古い王国ができたのも納得のいく気候である。
こうしてアフリカのことを知っていくと、
そこが人類が何度でも進化を重ねて世界中に送り出してきた
人類のふるさとであり、大型霊長類にとって住みやすい大地であることが
わかってくる。
私たちが知らなければいけないのは
先進国の様相ではなくて
私たちの故郷ともいえる
アフリカのことなのではないだろうか。
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